今日の一冊の冒頭

誘拐ラプソディー
感慨深いものがある。
いまだに実家が何区になったのか咄嗟に出てこない。
さいたま市じゃなくて大宮は大宮なんだよなぁ。
幼い頃の記憶が蘇ってくる。
西口と東口が暗くて汚い地下道で繋がっていて傷痍軍人がハーモニカを吹いたりアコーディオンを弾いたりしていた。怖いけどずっと目で追ってしまい母に怒られた。大型キャバレー全盛期だった。両親がそこに通ったりしてた。父はたまに血だらけで帰ってきて「もう南銀(なんぎん・南銀座の略で歓楽街)には行かない!」と何度聞いたことか。デパートといえば中央デパートで屋上のコーヒーカップと観覧車に乗るのが楽しみだった。大宮スケートセンターでの女子プロレス興行が大好きだった。小人プロレスは誰が見ても本当に面白く、プロフェッショナルだった。寒かった十日市。(とおかまち・12月10日に氷川神社で開催される熊手市)当時の12月10日は着込んでも着込んでも寒くて父が日本酒をひっかけてから出掛け、熊手を値切るのが凄く嫌だった。今ではその気持ちがわからなくもない。思い出したらきりがないからこのへんで。
誘拐ラプソディー2
「誘拐ラプソディー」 荻原浩
ちょっと前まではそんな街だった大宮周辺を舞台とした小説です。
99%ギャグ、1%ホロリときます。

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