ミートソースパスタでお腹いっぱいになり、もぞもぞと寝袋に潜り込み、ウイスキーをストレートで3口いただき、数秒で深い眠りに就きました。夕方6時半でした。2度、目が覚めまして、なんとまぁ幸せなことに1度目は少し暑くて寝袋の顔周りの紐と首周りの紐を緩め、ダウンセーターの首もとファスナーを少しだけ開けたのです。2度目は私の息で、口まわりの部分の寝袋が濡れてしまって、びっくりする位びちょびちょで不快だった為、拭きました。濡れて目が覚めるのは何もおねしょに限ったことではないですね。4時半に目覚めた時、テント内は-3℃で結露は凍っていました。就寝中ポタポタと結露水がしたたり落ちてくることもなく、この方がかえっていいかもな~と思いました。
21日の朝焼け
山荘前から見ました。(夫が)
私はテントの中で梅わかめ御飯と味噌汁の用意をしていたか、食べていたか・・・
日の出後
私は多分、テントの中で珈琲を飲んでいたような気が・・・
ゆっくりと片づけをして、8時に雲取山荘を出発しました。足元はアイスバーンで最悪な状態になってます。細いまき道で、谷底に向けて足を滑らした痕跡を見つけてしまうと、背筋がゾゾォーっとします。
カチンコチンに凍った階段を登りきった後、日帰りで来たという若い男性2人に道の状態を聞かれ、私の正直な気持ちで、軽アイゼンがなければツルツルで怖いです、特に山荘から山頂までは危険です、と答えました。気をつければ大丈夫という気持ちもあったのですが、日帰りだとそんなゆっくり慎重に歩いてもいられないだろうし。そうしたら、その男性が軽アイゼンを持って来なかったし、ここに来るまでも滑って怖かったし、何かあってからでは遅いので引き返しますと言ってくれました。迷っていたのだろうが、なんだか私のような者が決断の後押しをしてしまって良かったのかな~ここまで来たのにもったいなかったかな~としばらくモヤモヤしました。またしても、彼らの方が大人でした。(下山後、三峯神社の土産屋付近で再会し、2人とも笑顔でホッとしました。)
実は私も家を出る直前まで軽アイゼン持ってく~?どうする~?雪とけたんじゃないの~?ってな調子で迷ってました。なぜなら、私の荷物の中に夫婦2人ぶんの軽アイゼン(軽でも、ちと重い)を加えるしかなかったから、入るスペースがそこにしかなかったから。あぁ、でももうそんなセコくて心の狭いことは言いません!重くても喜んで担ぎます!持って行って本当に本当に助かったから。念の為って大事だな~と思い知らされました。
お陰で滑って転倒することもなく快適に歩けたのですが、思わぬ所に落とし穴が、待ってました。軽アイゼンを外すタイミングが難しい・・・夫はもう大丈夫だからと外してしまいました。でもまだ、北側の急斜面は所々凍っていて、私はなかなか外す気になれませんでした。岩も露出し始めて確かに歩きづらい、木の根っこも踏んでしまいそうだし、よし、この急斜面を下りきったら私も外そう!などと考えながら歩いていたら、岩の隙間にアイゼンの爪を引っかけてしまい、片足が抜けないまま身体だけ前のめりに・・・
ヤバイ・・・
今までの人生が走馬燈のように~じゃないけど、一瞬の間にものすごーーーーーく沢山の事が頭の中を駆けめぐりました。ヤバイ、頭から落ちる、尖った岩に頭をぶつけたら死ぬかも、あっ、細くて掴めそうな木がある、あの木に掴まろう、掴んだら絶対に死んでも離すものか!と。数メートル後ろを歩いていた夫もこれはマズイ!!!と咄嗟に手と足を伸ばしてくれたのですが届くはずもなく。私はその行動も斜め後ろの方向にはっきりとスローモーションで見えてました。落ちると思った瞬間、私の手が伸び、木を掴み、木を支点にぐるんと180度回転し、くの字に宙ぶらりん(足がひっかかったままなので)になってたそうです。
相当気が動転してたのか、その直後の私の言動が変でした。さんざん変なことを言った挙げ句、強烈な意味不明な笑いが止まらなくなりまして・・・なんだったんでしょう。戒めに写真を撮られ、時々見て思い出せ(怒)!と言われました。はい、その通りです。
ふ~ぅ、やっとお清平です。ここまで来たら安心です。
霧藻ヶ峰の売店で買って貰ったコーラの美味しかったこと!!!
ここのおじちゃんは感じが良く、ぼっとんトイレも綺麗で気持ちよく使わせてもらいました。ありがとうございます。
コーラですっかり元気になり、三峯口までタッタカタッタカ、いけました。
さて、今年は20回の山行をこっそりと目標に掲げていました。
数えてみると、雲取山で21回でした。
楽しさ、怖さ、反省点、すべてにおいて、今年の集大成だったかもです。
雲取山・2日目